青空/
三上山一己
鬱屈した僕のドロドロとした心は涙の海にしずんだ
青空の下のささやかな幸せは
僕を誘っているようで
拒んでいるようでもある
僕はどこに流れてどこで果てるのか
ふらふらと歩いて倒れこんだ場所が
彼の家の近くなら
僕は見放されているのだろう
言ってしまった一言と言えなかった一言が
ぐるぐるぐるぐる
急旋回を繰り返し
視界を狭める
最近空を見ていない
消えてしまった彼の気持ちと
消えなかった僕のいのちが
ワルツを奏でているようで
僕は眼を閉じているんだ
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