迷走/麻生ゆり
そうなのだ
何も変わっていないのだ
どうしても
この身を許すことができない
なぜこんなにも苦しむのか？
なぜこんなにも迷うのか？
どうあっても
自尊心ばかり高くて
白くて透明なものに憧れて
でも結局触れることすらできない
救われない
だからリアルに
己の全てを見つめて
もっとリアルに
今この瞬間を愛して
そして
自分の居場所を確認しよう
また耳鳴りがする
「死にたい」「死にたい」と声がする
それはもはや
私のレクイエムにすぎない
死へのカウントダウンが
徐々に近づいても
嗚呼
私はそれを受け入れるだろう
逃げてはだめだとわかっていても
受け入れてしまうだろう
だけどそれは
こんな哀れな私を
大事に思ってくれるみんなを
裏切ってしまう行為
だから今
私は精一杯生きようと思う
不器用でも
この命が続く限り
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