君の空は蒼いかい?/灰色の夢の中
陽の光の当たらない場所に
屍が横たわっている
誰にも気付かれず
ビルの陰に寝そべっている
少しずつ腐食していく顔
骨が見え始めている
鼠がかじったのか左手の中指は無い
乞食のようにボロボロのスーツ
輝きを喪失した指輪
落ちた財布からはみ出た千切れた札束
盗まれる事も無く
・・・瞬間
睡眠薬が瓶からこぼれて
暗闇に白い模様を描き出す
美しい模様に
君は笑う事も無く
苦しそうな表情を浮かべたまま
風も通らないビルの深い谷間の中で
誰にも気付かれず
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