天井の言葉/狩心
あなたは指示語を何処に置き忘れてきたのか
こそあど
丸まった眼球一つ
舌の上で転がしている
ベッドの上で
または
恐怖の上で
かじかむ手は
森羅万象の申し子
食い縛る歯は
大地の怒り
ちりちりと舞い落ちる
あなたの抜け毛が
また一人の少年を
ハゲにする
全然行き場もない子供達が溢れている
創造性を抱えたまま
カオスの神に祈りを捧げて
人一人の軟弱
人一人の偶像
軟弱さは絵葉書に書いて
祖国で死んだ両親へと宛てるがいい
墓穴から甦るスケルトンたちが
あなたの脳味噌を食らうだろう
骨の中で噛む音が鳴り
静けさは伴奏となる
裏返る皮膚に
また太い
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)