反戦地帯/狩心
 
撃が続く

どうやら
来てしまったようだ
光が細く 蜘蛛を張る場所
レントゲンの中に 空洞の世界

あたかも
舞い落ちるヴァルキリーと
雷を背負った神父の鏡

絶縁地帯

炎天下の歩道橋を渡る
インド人がヒンズースクワットをしていて
腹には赤い棘が刺さっている
誰にも気付かないように呼吸する

硝子の破片が道端に

イエローやオレンジ
それらの暖色系が
蛇になる

バス停に絡みつき
商店街の看板はすべて折れ曲がる
地形は静かに
段々畑から平地へ

手を一つ置いておくだけの
セレナーデ

桜の花びらが海を渡り
カモメとミミズの子供を産む
爪の中にパズル
皮下脂肪が血管を圧迫する

電車が来ない
あの宇宙に広がったまま

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