反戦地帯/狩心
 
腹のハイフン カスケードの灯火
無灯火で走るバイク 顔面に穴ぼこの山

先人達がこともあろうか
絶縁地帯を山の奥に潜めた
湿地の山は
みるみるうちに山の麓の村を
魔界の虚心兵へと仕立て上げる



時代が見る見るうちに雪崩に
息はテトラポッドの病棟
消えたはずの恋人達が
ひそひそと眉をひそめて

天空に緑 心の奥にスカイブルー
目の前の空が池の中でホトトギスを作成する
裏表がない顔面の
のりしろ

あたかも
地平線から舞い出 鶴 そして亀
笑い声はとうに消えた
宿直の看護婦がカンテラを持って徘徊する
指先はピンクのマニキュア
三角帽の中で爆撃が
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