あさっての新聞/
たもつ
ベランダの浮輪に
バッタがつかまってる
夏、海水浴に
行きそびれて
書記官は窓を開ける
木々の梢の近く
監査請求書が何かの水分で
少し湿っている
白墨の匂いを残して
物理の授業中に
少女は遠くへ出かけた
校則が眠たいのは
すべてが言葉だから
間違えてあさっての新聞を
配達した青年が自転車を止めて
荷台の紐を直している
草野原の
平和な戦場で
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