“Arabesque”/
鏡文字
彼女との交歓のさなかに
私は蕾を発見した
中指ほどの大きさをして
しっとりと重い
唇で触れた瞬間
あの無音の炸裂音と共に
弾け開いたそれは
彼女の脚の間で
実に15センチはあろう
一輪の白覆輪の
紅い百合
私は願うことを抑えられない
彼女の髪が 白くて脆い
細根となって
地に埋まることを
そして今や仰向いたその花に
顔をうずめ
球根となった彼女の
可愛らしい顔の感触を
掌で味わい尽くすことを
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