シュガースポット/nm6
 
 
 
 
 
線をまたぎます。季節も七夕をすぎれば夜のための日々が延々と続くのです。アスファルト、アスファルト、きみは熱という熱を呼吸していますか?と話しかけてはこのマンホールのように丸い月がさようならの顔をして、くらりと動揺するのはぼくだけなんだとか思うのです。生温いのは肌触りで、ふかふか浮かぶ水分にからかわれているような按配のひとり人間の徒歩。このこんがらがった絡まりのなかを緻密に、通り越すのではなくつきぬけるための、そう裏技を。


丸い月のさようならが俯瞰する暗がりにスポット、スポット。
見えない線が勢い堰いては、互い違いのビート打つよ。




線をまたぎます
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