呼吸/かのこ
あたしなんか、早いとこ死んでしまえばいいのに
そんな言葉に音楽がそっと寄り添ってくれる
この部屋はむせ返るような君の匂いに満たされていて
あと3秒もすれば鼻が慣れて、何も感じなくなるだろう
その長い長い3秒間の静寂
あとどれだけ走ったならくたばることができるのだろう
暗闇に埋もれる空気の波に
濡れた睫毛を照らすかすかな光
誰か来て、あたしの泣き言に
耳を傾けてくれたら
その腕の中で
もう二度と目覚めることはなくていい
そしたら君ももう
解放されたと思っていいんだよ
3秒間の絶望から
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