命題/木屋 亞万
 
黄色は金運を呼ぶんだって
と見舞いに来た人達に
楽しそうに笑顔で話した

貴方は詩を書くから
いつかは私を詩にしてと
頼まれてから3年
楽しそうな詩を
いくつも書いた
強くたくましい詩を
いくつも書いた
あなたの詩を
あなただけの詩を
何度も書いた
一つも消せやしない
でも誇れもしない

哀傷歌を詠んでは
陶酔に囚われ
自分を嫌った
自分の見る世界
自分の書く言葉
全てを嫌った
強く抱いた
明確な殺意を
自分へと向け
それが跳ね返り
周囲を攻撃したことを
悔いて止まない

いま何度目かの挽歌を
暗く悲しいだけの挽歌を
乗り越えていきたい
いつかは明るさの燈る
楽しい詩を書きたい
君への相聞歌ももう一度
書いてみたい
私に残る君の全てが
出尽くすまで
私の筆が折れることは無い
絶対に無いんだ

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