マリー/atsuchan69
清しく、邪な風に
華奢な下肢をさっと隠した
裾広がりの白地に
ピンクの薔薇の咲くスカート
立襟のブラウスに
光る栗色の髪を
ながく垂らし
ただ、甘く春に散る
花の匂いを漂わせて
湿った野辺を歩きながら
今日までの哀しみが
まるで嘘のように
眩しい顔で僕に手をふる
厄介な、誰かのマリー )))
レンゲの薄紫が、
草の色に浮かんでは
そよ風に揺れ、
薄い紫が草の緑にまざって
空をつつむ羊雲と、
こぼれる陽射しが妙に
なんだか怖いほど
長閑すぎる、時。
草むらに敷いた
木綿の布にならべた
大きなブールとヴァランセ
リンゴに突き刺し
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