声/湖月
 
ひたひたと波
わたしの側を通りぬける雪
布一枚の盾で身を守り
声ひとつの剣を構え
この足はあなたの紡ぐ文字を踏み、
手は己の言葉を振り払う

籠の月は美しいのですか、
声はもろい剣のように
この胸を刺し朽ち果て
残る言葉が心を裂くと
こころに住む少女の亡骸が痛む









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