清月の薔薇/千月 話子
蓋を開けたオルゴヲルの回転軸につかまって
羽の付いたお人形の足が
ルラルラ踊る
君に会いたくて
君に 会いたくてね
手を離して
一緒に飛んでしまいたい
箱の内側には白薔薇を
何度も詰め替えて
行ってしまった君を
再生する
青白く光る月の青という言葉を
誰も使わない日があればいい
明日の空には
清純に輝く白い月がある
神々しいほどの漆黒に
揺れ動いて 揺れ動いて
やがて凄艶の月になる
満ち欠けは花びら
約束したよね 私達の
手の平から白い花の香り
擦り合わせて匂いをつけた
体中から溢れ出す
君を探して
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