3体の死体/桜 葉一
なら、辻褄が合う。
つまり……顔のない女性は生きている。その女こそが犯人だと言うのだろうか……。
突然後ろでガタンと言う音がした。
戻ってきたの……?
恐ろしくなった私はそこを飛び出した。
何度もこけそうになりながら私は山を駆け下りた。
後ろなんて振りかえる暇もなかった。
ちょっと気を抜いたのがいけなかった。
石に躓いて転んでしまい腕を木にぶつけてしまったのだ。
激痛が走った。そして私は恐ろしいものを見た。
私の腕がちぎれ落ちていたのだ。
動揺し焦った私は腕を拾い、くっつけられないかと努力した。
くっつかない……。
こうしている間にもさっきの女が追跡してきているように感じた。
私は諦めてちぎれた腕を持って、そのまままた駆け出した。
その瞬間。
あっ、と気づいた。
あの3体の死体……。
なくなったパーツを合わせると……1人の人間に……
その瞬間私は気を失った。
ばらばらとなにかが崩れる音がした。
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