形見という概念をどのへんに位置づけるか、それはあんたがたの自由だ/ホロウ・シカエルボク
苦し紛れに吐き捨てた言葉の中には見るもおぞましいいびつな感情が梱包されていてそれは解かれる必要すらないほどに歪んでいて情けなくそしてあきらかにそうというほどではないのだけれど決して無視を決め込むことが出来るほど微量ではない
そんな臭いを涌水のようにじりじりと漂わせそれと同じくらいの質量の細分化された不快感を秒刻みでマジシャンが人体切断トリックを行うときに差し込む模造刀のようなリズムでひとつずつ差し込んできてその中のいくつかははじめからそこにあることを心得ていたかのように致命的な欠陥のいくつかの中心を確実に突いてきてあまりのことに声も出ずなすがままになりけれどそれは生まれて
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