重み/湖月
 
 この身の重さは唯一の持ち物なのか
 引き摺る体は傷に塗れ
 手には見知らぬ荷が積まれ
 この身の重さは捨てても消せぬ

 ならば足を切れ腕を千切れ身を抉れ
 血は絞れ管を絶て
 
 それでも残る重さは 私のうつわ
 蹴り上げ割れる空洞に重さは増すばかり

 体の細部の空洞に詰め込む
 怒りを悲しみを
 その隙間に言葉を


 そうしてまた引き摺る
 重いのは わたしではなく このうつわ




 
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