白い雲のように/風音
 

こころの扉、
ひとつづつ
鍵をしめていく

このままでは
あまりにも
辛いから

ひとつづつ
丁寧に
鍵を集めて

けれど

きっとそれは
忘却にもぎ取られ
探すことさえ
できずに

いつか
扉が腐り落ちる

じわじわと
こころが
沁み出して

自分でも
気づかないうちに

そして
ある日突然
辛い気持ちを
思い出したりして

悲しみの情景を

一瞬
こころが痛くて

まるで
輝く太陽を遮る
白い白い雲のように
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