二日酔い/松本 卓也
 
埃に塗れたガラスに映る
くたびれ果てた繕い笑顔
二日酔いで始まる月曜日
やるべき事が頭を巡る

子供の声とエンジン音とが
交互に僕を追い越していく
皆一様に行くべき場所へ
望む望まぬの区別なく

これから過ごす一日で
どんな自分を演じるのかなど
あり得ない空想を逃げ道にしても

溜息に混じる酒の匂いを
肌寒い五月の朝が包み込む
逃げ場など無いと教えるように
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