天、下られよ、我等が上に/六九郎
 
ああ嫌だ嫌だ
因業だ因業だ
こんなに晴れて空気の乾いた日には
きっとまた降って来なさる
かさかさかさかさ嫌な音立てて

お役所を
お済みになった
お役人様が
夥しい数の
お役人様が
太陽の黒点からぽろぽろと
列を成して溢れ出し
我等の頭上に降り注ぐ

かさかさかさかさ
幾体も幾体も
撫で付けた髪と地味なネクタイなびかせて
関節と関節を奇妙に絡ませ
繋がり合って輪になって

ああ嫌だ嫌だ
因業だ因業だ

たてまつりつかまつりますいつまでも

2008/5/12
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