暗夜の道 /
服部 剛
遠くに浮かんだ憧れを
指を咥えて見ていても
訪れること無い幸福は
舌を出して飛んでゆく
路面に映る人影の
胸に嵌(はま)った丸い水鏡は
誰もいない夜道を往く
独りの青い惑星
街灯に照らされ
淡く伸びる夜道の
不思議な引力
冷たい夜風に
身を屈める私を
つれてゆく
闇塗りの向こう
白い出口へ
戻る
編
削
Point
(2)