いまの名前/ホロウ・シカエルボク
てるだけでしあわせ」と安物の日本酒を飲む
路上で彼らがなにかを学んだのかと言えば
働かずに金を集める方法くらい
安住者に学びはない
その人生にどんな理由があっても
月曜日の昼間、繁華街では
拡声器を持った労働者集団が行進を繰り広げていた
対立というスタンスを模倣するやつら
戦うという概念のもとに
骨を抜かれた獣ではないと信じ込みたいやつら
組合と会社組織のあいだには
一足で越せる流れしかない
やれるだけのことはやった、という
自己満足だけを祭のあとに残して
一晩眠れば
また代わり映えしない一日に身を投じる
理屈を積み上げながら
屈服しなよ子羊
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