ダウナー/有邑空玖
 

これきりにしようと云って
飲み込んだ言葉は届かない誓い
夜の闇にも 朝の光にも
世界が終わる兆しはなくて
いつだって同じ毎日だ


  朝顔が咲いています。
  緑色の葉は光を蓄えて、キラキラ。
  今年も夏が来ました。
  君がいない、十度目の。


アスファルトは熱を持って
少しも優しくない
あたしが接吻(くちづ)けたら
終わるかな、全部
陽炎だって本物に成りたい


  かき氷は抹茶ミルク。
  夏祭りは終わってしまうから楽しい。
  君の代わりに呟いて、
  アセチレン洋燈(ランプ)、どうして寂しくなるのでしょう。



[次のページ]
戻る   Point(2)