花の咲く頃を愛する/相田真理子
 



短歌。花の咲く頃を愛する心に寄せて。



・桜散る花びら君の唇に 春のキスだと君が嘯く


・ヤマツツジそっとこの手で摘みあげて 燃える思いを知ってください


・紫陽花のように色づく恋心 降る恋雨に君は気づかず


・君が好き笑って見つめているだけの 私向日葵君は太陽


・しなやかに風に吹かれる秋桜 この身も風に任せてみようか


・山茶花を椿と間違う君だから 去り際もまた潔いのか 


・白く咲く水仙のようにまっすぐと 背筋伸ばしてただ君を待つ


・梅の香が肌に擦り寄る昼下がり 君の夢見るために眠ろう


・唇に乗せるグロスと同じ色 桃の花より綺麗に咲こう


・顔を寄せ椿を愛でる振りをして 君のことだけ思い出してる


・桜咲く花びらが散るその前に 春のキスだと君に口付け



春夏秋冬めぐり巡って、花は咲く。
花の咲く、この季節を愛している。



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