さよならを/REMINGSセシル
 
言わなくていいんだと
きみはぼくを細くなった手で
握りました

体も細く縮んで
手はしわしわでした

きっと生まれ変わるので
きっと心は生き続けるので
さよならじゃあ
ないんだよ
と言いました

だから
ぼくたちは
またクラスメイトの
いしい君のことで
笑っていました

病室は
いつもどうり朝でした
外には霧雨が降っていました





思い出すきみは
強くまっすぐでした

冬はいつまでも
あの頃のままでした

凍るように冷たいアスファルトに
きみは
スズメの死骸を
手に持って

何度も大丈夫だと言いました

きみがま
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