さよならを/REMINGSセシル
言わなくていいんだと
きみはぼくを細くなった手で
握りました
体も細く縮んで
手はしわしわでした
きっと生まれ変わるので
きっと心は生き続けるので
さよならじゃあ
ないんだよ
と言いました
だから
ぼくたちは
またクラスメイトの
いしい君のことで
笑っていました
病室は
いつもどうり朝でした
外には霧雨が降っていました
思い出すきみは
強くまっすぐでした
冬はいつまでも
あの頃のままでした
凍るように冷たいアスファルトに
きみは
スズメの死骸を
手に持って
何度も大丈夫だと言いました
きみがま
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)