深夜の連弾/狩心
 
び切った髪の毛が
体中を飲み込む
セメントが割れる音
その中に子供が生まれる

  終

君の眉毛が草原で
スペーストラベル
インジケーター
削ぎ落とされた皮膚
火薬の匂い
あの日、焼肉屋で指を焼いた事実
誰かに強迫されて
体の一部を焼いた事実
目撃者の少年は
午前0時30分
女性の悲鳴を聞いたと言う
証拠不十分で困り果てた刑事は
親子丼を用意する
それを少年に食わせず、自分で三杯食う
己の中に、刑事の使命、女性の悲鳴、少年の困惑がある
そして時々、他人の恋を盗む、
そんな事件
被害者は刑事
少年が尋問
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