ベッドマン・スルーイット/狩心
ット
君の右手には釣具の上州屋マンドロンマ・ロケット
君が座薬を注入し
僕達は機械化し
せめてもの償いとして絡んでベッドで干されたベランダ
スルメイカの匂いと昆布だし
唐揚げの音とハンバーグの肉汁
釣り銭ないよと言って
ポケットに一万円を突っ込む一万円を突っ込む何枚も突っ込んで手を折り曲げる
右手からゆっくりと折り込まれて少しずつ体もポケットに飲み込まれていく日常
いや、ここは機械化された隔離倉庫愛の巣
君は無言で自分を飲み込みながら体積を縮小していく自分を情けなく思いながら
僕に部屋と空気だけを残し
冷やかで静かな地点へと着陸する
部屋でひとり絶叫する少年を釣り針でぐるぐる巻きにし
そんな奴は存在しなかったと吐き捨て部屋を出て行く
あの時に炸裂した空気だけを握りながら
町を歩きながらふと思い浮かぶ
すげぇいい女が花瓶に差し込まれて飾られる事件
ニュースに乗るような事件に俺が巻き込まれて
俺の計算機がカタカタと値段を弾き出し陵辱し
くねらせた体を弁当に詰めて貴方の元に届けに行きます
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