梅雨の男/
小禽
今朝はコーヒーをいれて絵を描いていた。
開けたままの窓からはしっとりと雨の匂いがして、「梅雨か」と独り言が漏れてしまう。
東京にはもう季節がやってきたようである。
大きな荷物を両手に持って、疲れたからと幾らか泊まっていくだろう。
寡黙な私の話し相手になってくれる、優しい男である。
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