標本/ホロウ・シカエルボク
仕方がないんだとおまえは言う
ほんとは
そう言ってほしかったんだろ
途中下車、することの恥ずかしさ
おまえが
一番叫んでいたもの
情熱を熱いものだと信じて疑わないおまえの薄っぺらさじゃ
きっといつかこうなると思っていたよ
熱が引いたらただの人かい
激しさは
さかりの孔雀の羽根のような
その場かぎりの見せかけだったのかい?
「ノーマルなんてみんな死刑だ」
そう
唾と一緒に吐き捨てたおまえが
いまじゃ
やつらとおんなじ靴で
ぎこちなく歩いてる
おまけに
誰かのためでも自身のためでも
それをまったく納得していない
夢のような時
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