僕ら、鉄パイプ振り回して叫ぶんだ「ハレルヤ」と。/青木龍一郎
 
僕と君は鉄パイプのような人間だから
鉄砲の所持を許されてもいいはずだった

僕は可愛い赤いリボンをつけてもらった鉄パイプを持っていた
君はキラキラのラメが散りばめられた鉄パイプを持っていた

それらを持って、空に浮かんだとてつもなく大きい鉄パイプの中を僕ら走るんだ
後ろからよだれを垂らしたデカい犬達がついてくる
そいつらを見て、僕らは号泣する
暗闇の中が黄色く光る
強い光が僕らの眼を潰す
世界が光りだす
鉄パイプが光りだす

眼が泥泥粘粘になった僕ら、大笑いしながら鉄パイプの外へ飛び出す
大きい弾丸や原爆が飛び交う空の中を猛スピードで落下している


僕には世界
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