フォーク/
森さかな
できれば少女のまま
死にたかったのに
星を撃ち落として
泣いた
冷蔵庫のなかの花は
ひんやりしてた
リボンは全部
捨てた
だれかの孤独を
見破って
恋という字を百回書けずに
放りなげた
ブランコに
乗って
いくつもの鳥を
見失っていった
色鉛筆は
もうなかった
知らないパパと
キスした
いつのまにか
ピアノは売られていた
祈りは
しなかった
重い重いと
つぶやいて
わたしとだれかと
わたしと
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