揺り篭/
戒途
揺り篭に揺られ、赤ん坊は泣いていた。
無意識に一生の悲しみを涙に溶かしていた。
いつの間にか忘れてた。
「違う」ことを拒まれていたのか。
いつからだろうか、幸せを掴めると勘違いしたのは。
隣にもあったから、俺にもあると思ってた。
俺は今、泣いている。ウタを聞きながら。
どうして、どうして、勘違いしていたんだろう。
悲しくて、悔しくて、俺は今、泣いている。
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