五月の虚無/吉岡ペペロ
 
森のなかにそこだけ

ひかりの射す広場があった

森の近くのファミリーたちが

その広場ではよく遊んでいた

ひとつの闇のような森に

どうやってこんな広場が生まれたのか

その広場で

色が

影が

動いているのを見るのは

果たして

死の世界を見るようだった


否、


わたしが死の世界から

五月の虚無を見つめていた
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