遠野/
フクスケ
ぎこちない鑿(ﾉﾐ)の跡の石仏を見て
「素朴」という言葉を捨てた
飢饉デ死ンダ者タチヘ
追悼ノタメ
目鼻立ちも定かでない
自然石のような石仏に
表情は要らない
飢エテ倒レタ者タチヘ
石塊のような石仏しか造れなかった
青空のもと
新築の廃墟がそびえる
整然と人の流れが
吸い込まれて行く
休日の午後
石仏ニ表情ハ要ラナイ
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