京町拙歌/西日 茜
 
軒並べ 間口狭いが 細長く
敷居積んでは 打水ピシャリ

おもて顔 作り笑顔に はんなりと
高い反物 そろばん弾く

白い頬 真紅の紅が 艶(なまめ)かし
夕暮れ染めて 俥(くるま)行き交う

おそろいの 茶碗を買うて 並べては
すする抹茶の 宇治ほろ苦さ

清水の 約束の日の 独りごと
糸はほどけて 風に舞う赤
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