また夏/落とし子
 
2004年7月、暑い夏がきて、
僕らはまた汚れる。
あれほど焦がれた思いもいつか日常になる、
そういう事は
誰も止められないんだ。

川沿いをずっと二人で歩いていく。

何もしゃべる事がなくて、
いわし雲、なんて言葉を僕は何とはなしに
つぶやいてみる。
雲は無かったが。

川沿いを歩く。

風が出て
雨も降って
秋になる。
日が暮れてまた朝が来て冬になり,
もう今が、いったいいつなのかさえ
わけもわからずひたすら歩いて。

また夏がきて、
どうなんだろう、僕らは、
何度も繰り返すこの道の終わりに
初めての季節に入る日が来るのか、
来ないのか。
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