尾根道/あおば
に入らない
耳にはいるのは丸太小屋の屋根裏に潜む
ミミズクのような大きな丸い目玉から放たれた
落ち着かない子は許しませんの厳しい声音
ひっくり返ったままの馬は薬殺されて
町に運ばれ解体されてバラバラになり
だれかの口に飛び込んで旨い旨いと言われて
それを聞き納めに地獄に行くのだと
アチィーブメントを逃れたものの
喰われてしまうのも
辛いものだと考えたりして
テストの成績はさんざんで
三者面接の時には
村を捨てて逃散するしかありませんねと
言いたそうな口ぶりを
捨て台詞も思いつかないままに
黙って坐って眺めているばかりでした。
馬の尾根を逃散した村人が着の身着のまま通り過ぎるのを
想像したことがあるかどうかで君の将来は決定されるとしたら
勉強なんかしない方が幸せかもしれないと
無邪気な顔した妹がしたり顔する
なんだか分からないままに頷いて
給食の残りのパンを囓りながら
横町を通り過ぎる人を見張るのが
午後の日課となったとか
なんとか
でたらめなことを書いて過ごす振り替え休日の朝。
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