夏/
沙虹
長雨をもたらした群雲の涯にかかる桟橋
漕ぎ出せば容赦無い光の海原
破線の僕の輪郭はより不確かなものとなって
影は灼けたアスファルトに縫いつけられる
光と影は背中合わせの白と黒
オセロのように貼り付いて
片一方が正しいでもなく
かと言って間違いでもない
蒼穹に浮かぶ姿を変える不実な空の氷菓は
今が食べごろです
戻る
編
削
Point
(6)