未完成のアンサンブル/
こゆり
静かな夜に
とけ込むのは
喉を鳴らして
響く声
追憶の波際で
鳴り響いては
なんとか
つなぎとめている
窓から見上げた空
あの星に
届きそうもない距離を思い
見上げた角度に
祈りを捧げる
わたし達は遠く
離れた窓へ約束を飛ばし
幾度となく倒れても
なおもペダルを踏み続ける
さびれた自転車に
新しいままの約束を乗せて
未完成の旋律が
こころの中
風をきって流れていくのを
感じながら
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