「 青春ピリオド 」/狩心
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雨を遮る為に差していた傘を
あなたに突き刺した
雨水と血液が混ざって
傘の先端から私の手元に届く
傘をまた開こうとしても
あなたの骨にぶつかって開けない
私の両手は真っ赤
頭から爪先まで雨に打たれてびっしょり
心だけが先行して走って汗でびっしょり
あなたはポケットからハンカチを取り出す
私に渡そうとするけど
手を上げる力も無くて
ハンカチを落としてしまう
苦笑いでそっと微笑む止まった時間
私の力が抜けていく
突き刺した傘の柄を放しそうで焦る
手は痙攣して震えて
とても怖いから放さない
近付かないでッ!
涙も雨と混ざって何が何だか分からない
血と
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