白シャツ/ゆるこ
百年かけて生み出した感情を
書き留めた産声
朝日が煌々と昇ると
夜の影は隠れんぼしてしまった
あさ、
柔らかな呼吸で暴き出した
感動は、
君のひとみに光を与えるのに
少しでも貢献すればいい
風が
洗濯物を揺らす
廃棄物まみれのこの部屋に
何故か優しい香りが漂う
水の渦の中心から
手が伸びたかと思うと
わたしが握手する前に
空に吸込まれてしまった
それは、ざんぞう
それは、かげろう
それは、きおく
膝の上の憂鬱を揺らしながら
時は足早に進んでゆく
障子越しの少女は
黒いブレザーを羽織い、
明け方の奇跡に
光の線が束になって
南の方へと
駆けて/欠けてゆく
手首に額を当てながら
淡い白に変わってゆく
祈りにも似た
深海のテトラポット
成す術もないまま
わたしは光になってゆく
赤ん坊みたいな仕草で
わたしは、
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