ラプンツェル/山中 烏流
 
こえないうたと
届かないひとみを持って
枯れないように、そっと

傷だらけの
ましろなブラウスは
崩れないように、と祈る
おつきさまの贈り物

長く伸びる
まくろな髪の毛は
消えないように、と守る
たいようの


「小さな泉から
 囁く音がしたら
 それは、寝転がる私の
 足音なのです
 
 瞬きとは
 一日を終わらすための
 おまじないなのだと、言います
 
 夜が明けたら
 私は靴を探すために
 景色の先を
 知ることでしょう
 
 そのとき
 手のひらには
 何が、
 残るというのでしょうか」



     朝焼けの船に乗って
     夕暮れを探すところ
     私は手紙を書いては
     破くことを繰り返す

     見えない暗闇と近く
     「私」が融和しては
     また一人分の砂漠で
     目覚めることを、。




終わりは、

    「ないのですか。」




















 
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