海に似た形の、しかし実体のない女を語るように/2TO
Meruki『海に似た形の』
http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=151980
何から話し始めるべきだろう。この作品の「彼女」、あるいは「女たち」、はたまた「死にかけた象」について話すべきであろうか。それともこの作品の陰明な空間についての方が読者にとっては好ましいだろうか。しかしながら、それらの形象は私の理解から易々とすり抜けてしまうように思える。あたかも「影」がペンを持つ右手から光源とは逆方向へ逃れ去るがごとく、引き伸ばされた「彼女の骸骨」の「影」は彼岸を越え、「微笑み」によって海の奥底へと誘われるようですらある。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)