ああ/
唐草フウ
掴みきれない砂を
別れ際におとした
5月の夜空は
何も知らなすぎる
またね、と約束して
帰ってこなかった人を
悔やむ
その先に空白
・・・
わたしは正しいですかと
目を閉じた向こうに
問いかけてみる
そこは風も光も闇もない
羽毛をしきつめた丘陵が
広がって
ひろがって
おし合って おし込まれて
わたしはまたここに
同じところに
・・・
またね、を怖がるようになった
幼くない初夏の
少し もうろうとする
足のゆびさき
その先には空白
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