終わる時/AKiHiCo
檻の中で過ごしていたようです
どうやら僕はあの頃のまま
で、居たかったのかも知れません
さようならが言えない僕が
鏡の中で嘲笑しても
あの頃の季節を覚えています
愛が憎しみに変わる前に、前に
どうか撃ち殺してもいいと頷いて下さい
どれだけの時が過ぎていたのでしょう
檻の中はずっとあの頃のまま
針は進む事はなくて光を留めておりました
現実に眼を叛け微笑んでおりました
気付かない方が幸福だったでしょうか
せめてこの心が終わる前に
貴方のその手で檻の鍵を開けて下さい
全てを貴方に捧げましょう
何もかも差し上げましょう
僕が愛してきた人よ愛している人よ
この先も愛が途絶えないと信じていた人よ
さあ、早く開けて下さい
僕はもう知ってしまったのです
貴方の底には僕がもう居ないと。
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