ぼさのば/
山中 烏流
Lが頼んだ
パスタの焼き音が
心地いいのは
やはり
このボサノバと
暖色のあたたかさ
なのだろうか
(最後の一口で
ふと
たったこれだけの一瞬を
振り返ってしまった)
このまま眠れたら
起きなくてもいいくらい
の、幸福
捕われる前に
抜け出さなくてはならない
(…かたん。
グラスの氷が
傾いたのは、きっと
合図
一度の瞬きのあとで
私は
日だまりの外へと
足を、向けた。
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