うのはなくたし/杠いうれ
おまえ、
わたしたちはけっしていっしょには成れないね
いっしょにいることはできるのに
へんだね
いっそ外国へいってしまおうか、
いっそ、なんて云わなくとも
理由や意思や罪性なんてよういしなくとも
いいのだし
たくさんの老いた藤のかんざしのした 待つ
ふたりともこわれた靴を履いている
不法投棄の埋まる砂場が しんだまちを呑むダムになる
見限った蜂を倣って
爪のみじかいゆび それをひいて
線路は褪せた黄色を流す それをきいて
ふたりともこわれた靴だから春でもつめたい、と それをみて
有刺鉄線にからみそうな、しろい花
ふたりともかさはなくて
それでも、
きっとおまえに似合うだろう
と
せいけつな生糸を
想う
しろ、だ
おまえ、
わたしたちはしっているね
やわらかいものとやわらかいものが触れられること
それを敢えて
からだでこなす、
ということ
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