大力の女/
チアーヌ
、ビールを注いで回った。
「社長室秘書の寺田と申します。今年から主人がこちらにお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします」
すると、酔っぱらった部長が、
「怪力というのは、ほんとなんですか、寺田さん」
と、彼女に尋ねた。
彼女は俺を軽く睨みながら、
「なんですか、主人が、またそんな嘘を」
と言いながら、去って行った。
次第に酒が深く回って来て、部長も課長も新入社員も大笑いをしていた。
ホテルの大宴会場は、今を盛りと、賑わっていた。
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