さよならの前につたえる/吉岡ペペロ
夜風を、友よ、
ぼくは、青春と呼ぼう、
黒の日だまりのなかで
ひとりを抱えて
自転車をこいでいる
いくつか光を過ぎて
セルロイドみたいな
外灯のそばの新緑のした
こんな夜あるだろう
寂しいエコーが繰り返す
あたたかな家庭
元気な恋人
こんな夜あるだろう
狂った暗がりに突っ込む
夜風を、友よ、
ぼくは、青春と呼ぼう、
黒の日だまりのなかで
ひとりを抱えて
自転車をこいでいる
いくつか光を過ぎて
セルロイドみたいな
外灯のそばの新緑のした
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