餞/
 

隙だらけの牢獄で、
僕と君は、
鬼遊び、
逃げ出す役は僕なのでした、
やがて、振り返ると、
立ち入り禁止の看板に身を潜めた君は、
境界線の
白い側を餞
黒い側を赦し
として、最後の遊戯を愉しんだのでした

隙だらけの牢獄で、
僕と君は、
鬼遊び、
明日が過ぎても
明後日が過ぎても
花束を抱えた僕が、
足の遅い鬼なのでした、



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